ところで、「ドレスコード」という言葉はご存知ですか?
「ドレスコード」とは、服装指定の事。周囲への配慮から始まった服装エチケットです。
男性中心のビジネス社会の中で、ドレスコードがはっきりしている男性達は、価格の差はあれビジュアル的には誰もが同じような印象となります。
しかし、残念ながら日本では、女性のビジネスシーンでのドレスコードは存在しません。 だったら、どうするべきか。
前項「1.ビジネススーツの役割」に登場した黒川伊保子さんは、女性エグゼクティブ対象セミナーで次のようにアドバイスしています。
キレイでエレガント、品のあるスーツを着なさい。
“圧倒的に上質”であることをビジュアルで示すべきです。
目立たなくするのではなく、逆。
毅然と、凛として、華やかに目立ってください。
私、SHIMA TAKEDAの服装哲学でもあるこれらの事は、上級男性エグゼクティブとのコミュニケーションの最初の必要条件です。
「キャリアウーマン」と言う言葉が少し耳慣れてきた頃、私はこのお仕事を始めましたが、SHIMAが大切にしている「エレガントで女性らしいスーツ」はなかなか受け入れてもらえませんでした。 日本のビジネス社会では、女性がずっと仕事をしていくには「男のように」が基本。服の色は黒、紺、グレーなどで、女性らしさはすべて隠さなければならなかったのです。
そんな時代を過ごしてきた人たちに「女性らしいスーツ」と言っても、受け入れられるはずはありません。 「志摩さんのスーツはビジネススーツではない」と否定された事もありました。 そんな中、SHIMAの信念を理解してスーツをオーダーして下さった最初のクライアントさんが、黒川伊保子さんと尾花紀子さんです。 それ以来お二人はずっとSHIMAスーツとお付き合いしてくださっています。
女性が女性らしい服を着てお仕事をしてほしい、でもそれは“決して男に媚びない女らしさ”である事が、SHIMAのビジネススーツに対する強い思いです。 そのためには服がエレガントで上品であること、仕立てが上級できちっとしていること、が基本です。