SHIMAをまとう女達

SHIMAをまとう女達

Vol.3 上藤美紀代さん

自信と誇りのSHIMAブランド

写真

人生の達人を唸らすスーツ

そのスーツは、100歳を超える高僧に絶賛されました。

宇宙の真理を追究し、世事にも長けた現代の高僧、松原泰道師が、私が着ていた最初のSHIMAをご覧になったときに、相好を崩して「これはいい!!色といい形といい実に品がある」とおっしゃったのです。

本物を知る師の褒めことばに、私は、SHIMAブランドのすごさに改めて感じ入りました。ほんとうに嬉しかった!心から「いい!」と言って下さった師のお声を、私は生涯忘れないでしょう。

人生の達人を唸らすスーツ。その効果は、ありとあらゆるところで実感できます。今、私は、SHIMAのくれるオーラが自分を変えて行くのを、とても楽しんでいるのです。

ライフワークとジレンマ

私は、数年前、声で人を癒す手法「ヴォイス・セラピー」という新領域を拓きました。元民放ローカル局のアナウンサーです。

声には人を癒す力があります。これは、アナウンサーとして、私自身が数多く体験してきたことでした。40代になってから、その声の力を最大限に引き出す発声法や話法(声遣い)を集大成し、「ヴォイス・セラピー」という領域を拓いたのでした。看護師や介護福祉士、学校の先生など、癒しを必要とする“心”の近くにいるプロの方たちに使っていただきたくて。けれど、本当は、恋人を癒し、家族を癒す、すべてのオトナの女性にマスターしていただきたいテクニックでもあるのです。

やりがいのあるライフワークに出逢った幸運な私ですが、ジレンマもありました。新領域を拓き、その領域の広報役として、さまざまな場所に出向かなくてはならないので、VIPにお目にかかったり、たくさんの聴衆の前にも立ちます。その際に、気後れしてしまうというか、見えない壁のようなものを感じていました。

元放送局アナウンサーですから、人前に立つのは慣れていましたが、それはあくまでも番組やイベントの一役割に過ぎません。ここでは「ヴォイス・セラピー」という看板を背負って、しかもフリーランスという不安定な立場で、ぐっと前に出るオーラのようなものを放つ必要があるのです。

私自身が自信に溢れ、魅力的でないと、「ヴォイス・セラピー」の信頼性に関わります。人前に立った瞬間に、強い説得力のようなものを感じさせなければ、自信を伝えることが出来ません。しかし、肩書きも知名度もなく、何の後ろ盾もない私にとって、そのことは容易なことではありませんでした。説得力を示そうとして、ことばを重ねれば重ねるほど、「よくわからない人」になってしまう…

そんなジレンマを抱えていたとき、私は、黒川伊保子さんに出逢ったのでした。

“外見力”との出逢い

話は少し遡ります。数年前、声の癒し力を引き出す手法「ヴォイス・セラピー」を確立するために、私は長く続けた民放局を辞め、大学院に学んでいました。修士論文と格闘していたある日、ラジオから流れてきた、見事な“癒し声”にはっとしました。聴き入ってみると、それは「語感」の研究をなさっている黒川伊保子さんのお話。それはそれは興味深く、修了の暁には、絶対に上京して伊保子さんに会って頂く!と強く心に決めたのでした。その後、偶然、地元の講演会で、伊保子さんに“出逢い”ました。

伊保子さんは、瞬時に、私のジレンマを見抜きました。自己紹介も終わらないうちから、「新しい領域を拓くというのは、容易なことではないでしょう」と、深い眼差しを向けてくださったのです。伊保子さん自身、従来の言語学の範疇にないことばの新理論を提唱してきた方ですから、理解も深いのでしょう。けれど、伊保子さん自身には、「説得力をどう示そうか」悩んだ時期があるとは、到底思えないオーラがありました。

あっ、お断りしておきますが、伊保子さんは決して近寄りがたいオーラを発している方ではありません。笑顔もお声もお優しく、ホンワカしてらして、しかも面白い!? そして情に厚く、実にハートの熱い方なのです。 それで仰ることが科学的で先見の明があって説得力がある! ほんとうにカッコよいのです。だから参ってしまうのですよね(あら、これでは伊保子さんへのラブレターになってしまいますね(~-~;)。

戸惑う私に、伊保子さんは、にこにこしながら、ずばり「外見力よ、美紀代さん」とおっしゃいました。「勝負はもう、ことばを発する前に決まってるの。人の前に立った瞬間に、圧倒的な説得力を放たなければ・・・それが外見力。私は、それにずいぶん助けられたの。私にそれをくださった方を紹介するわ」それが、竹田志摩さんでした。

志摩さんとの出逢い

憧れの伊保子さんから、鳴り物入りで志摩さんをご紹介いただいたわけですから、最初は本当に緊張しました。(伊保子さんったらひどい!お仕事の都合で仕方がなかったとはいえ、いきなり二人きりで会わせたんですよ!)あの時のスパゲティの味は思い出せません…当然のことながら、美しく清潔な身なり(シンプルな白いシャツと茶系のパンツだったと記憶しているのですが、さり気ない着こなしが格好よかった!!)と品のある立ち居振る舞い。磨かれた一流の女性を前にして、私は、身の置きどころもないほどのうろたえを、引きつった笑顔に隠しておりました。しかし、志摩さんはそんな私の戸惑いを知ってか知らずか、何の衒いもなく、気さくに、楽しく半生などを話し始めました。

少し打ち解けてきた頃だったと思います。志摩さんは日本の女性の(男性も)ファッションセンスの未熟さを嘆かれ、黒がベースの洋服を着ていた私には、黒の着こなしの難しさも教えて下さいました。耳の痛いお話に一瞬たじろぎもしましたが、不思議なことに、志摩さんの情熱やプロとしての凛とした姿勢に心が奪われ、恥ずかしさより感謝の気持ちが大きく勝ったのです。それは、志摩さんの一途でかわいらしい面にも触れ、お人柄に惹かれた証でもあるのですが、伊保子さんの御蔭で、素敵な人生の先輩(お姉さん!)に出逢えたことを、心から有難く思いました。

他人(ひと)のために、それを我が事として一生懸命になれる志摩さんは、ほんとうに魅力的な方です…

決断

ヴォイス・セラピー研究家として一歩踏み出したときに、このお二人との出逢いに恵まれたわけですが、いくら信念があると言っても、まだビジネスとして確立できていない領域で(借金を抱えながら)「私はこの先、ちゃんと遣っていけるのかしら?生きていけるのかしら?」と不安だらけの毎日でした。そんな時に“魔法のスーツ”のお話を伺っても… とてもとても私には手が届きません。

それなのに! 伊保子さんと志摩さんは「だからこそ、このスーツを着て自信をつけなさい!」と仰るのです。なんとご無体な…「美紀代さん、見た目はとても大事、信頼につながるの。見た目で判断されるのよ。外見力をお持ちなさい!」「“ヴォイス・セラピー”の広告塔になるのよ。綺麗な色のお洋服を着て、説得力のあるお仕事をなさい」と真剣に働き掛けて下さいました。

私は、「実力がついてから」、「ある程度実績を積んでから」でないと、志摩さんのスーツを着る資格はない、こんな私では志摩さんのお洋服に相応しくない、と考えておりましたから、躊躇したのは言うまでもありません。でも、尊敬するお二人が、そろって私を信じ、志を心から応援して下さっていることが嬉しくて、有難くて、お二人の胸を借りて変身してみるべき!?と思ったのです。自分を変えるきっかけにしてみようと。そして、お二人の真心を胸に、清水の舞台から飛び降りました!

二つの心配

さて、清水の舞台から飛び降りるにあたり、私には、心に重くのしかかる二つの気掛かりがありました。

一つはお支払いのこと。もう一つはスカートの丈です。

志摩さんは、寛容に、無理のないお支払い方法を受け入れて下さいました。振込みが一つの励みになるという私を温かく見守り、気長にお付き合い下さっているのですが、決してこちらを卑屈にさせない、その懐の深さに敬服いたします。頭の下がる思いで甘えさせて頂いております。

それから、私はアトピー性皮膚炎に悩む一人で、特にひざ下にトラブルが生じやすく、普段から丈の長いスカートを着用しています。でも、エグゼクティブスーツの基本はひざ丈のセミタイト。 正直に相談させていただいたところ、志摩さんは、少し長めのドレープの美しいデザインを考えて下さいました。「美紀代さんスタイルね」と言って、私のコンプレックスを愛情を込めてカバーして下さっています。

これで心の重荷はすっかり軽く。あとは私自身のチャレンジあるのみ!となったわけです。

魔法にかけられて…

今、3着のスーツを“ここぞ”という時に活用させて頂いております。
着心地のよさ、身体へのフィット感は、正に“私だけ”のスーツ。志摩さんのお人柄に包まれると、不思議な自信が湧いてきて、笑顔で、堂々と、声に真心を乗せてお話できるのです。

「ヴォイス・セラピー」や「声のもつ力」に関心をお持ちの方、特に医療従事者、福祉関係者、教育関係者から研修・講演を依頼されますが、ドクターでも僧侶でも、ロータリークラブでも、「SHIMAオーラ」があれば、何のためらいもなくお引き受けできます。静岡大学大学院の恩師に頼まれた、国際シンポジウムの進行役や入学式・学位記授与式の司会のお役目なども、楽しく務めさせて頂きます。

女性からは(淡いグリーンやピンクのスーツに対して)「素敵なお洋服! 先生の雰囲気にピッタリですね。 存在そのものがセラピストって感じ!!」などとお褒めのお言葉を頂戴したりします。 男性から面と向かって感想を述べられることはあまりないのですが、ロータリークラブからお声が掛かったときには、県の統計功労者表彰式での講演をお聞き下さっての評価が高かったからに違いない!と思いました。同じもの(最初のSHIMA)を髪型を変えて着て行ったのですが、どなたからも、大変丁重に扱っていただきましたよ。(Vサイン)

まだまだ「ヴォイス・セラピー」「上藤美紀代」というブランドの確立は完成しておりませんが、徐々に道は拓かれつつあります。その信念を貫くには、SHIMAスーツはなくてはならない必需品、私の三種の神器の一つです。信ずる道を歩みながら、スーツに似合う中身(ほんもの)になるよう、自身を磨いていきます。 いつか、伊保子さんとSHIMAスーツを着て、ご一緒にお仕事させて頂ける日が来たら…そんな夢を見ております。

ヴォイス・セラピー研究家  上藤 美紀代